Stolog

メモ

P.F.ドラッカー『エッセンシャル版マネジメント・基本と原則』上田惇生編訳、ダイヤモンド社2001

メモ 「第二次大戦前、マネジメントの本は、すべて集めても普通の本棚に収まっていた。ところが、六○年代の後半にはアメリカだけでも年間数百点が出版された。大戦前のものを全部集めた数の四倍から五倍が一年間に出版された」、「マネジメント・ブームの基…

ロバート・レイシー『フォード上、自動車王国を築いた一族』小菅正夫訳、新潮文庫、1989

メモ 「彼は自分の生い立ちを恥じるたぐいの成功者ではなく、むしろそれを誇りにしていた。一九三五年七月、七十一歳のヘンリーはインタヴューの相手に、真のアメリカはニューヨークやシカゴのような都会では見つからないと語り、「アメリカは、古い村や、小…

C.シュミット『政治的なものの概念』田中浩/原田武雄訳、未来社、1970

有名な友敵理論が述べられる書。 政治的なるものの基本的概念は、友/敵であり、これは道徳における善/悪、美学における美/醜のようなもので、なおかつ政治的なものとして独立しているとする。友が「善」で「美」である必要はなく、敵が「悪」で「醜」である…

ジョン・メイナード・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論・上』間宮陽介訳、岩波書店、2008

メモ 「以上見てきたように、消費性向の分析、資本の限界効率の定義、利子率の理論は、われわれの現在の知識にぽっかり空いた三つの主要な空隙であり、その空隙を埋めてやる必要がある。それが成し遂げられたとき、物価の理論はわれわれの一般理論にとっては…

William Mundie, William Le Baron Jenney +Skelton Construction: Its Origin and Development

こちらの再読。一応一次資料。 http://madhut.hatenablog.com/entry/2016/04/30/143005 http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-a308.html まずジェラニオティスのこちらの論文で触れられるボウマンのパンフレットとHIBの関係について。 http://m…

memo Make No Little Plans(2010)

メモ Make No Little Plans(2010) www.youtube.com

Roula Mouroundellis Geraniotis, German Architectural Theory and Practice in Chicago,1850-1900, Winterthur Portfolio, winter 1986 University of Chicago Press

ジェラニオティスの論文その2。 メモ 「ドイツ1848/49年の民主化革命失敗後、ドイツ系移民建築家がシカゴに到着し始める。彼らは故国の独裁的政治的風土を嫌った民主主義者か、あるいはこの政治的条件から帰結する機会の欠落に怒っていた若い専門家たちであ…

Richard A.Etlin, Frank Lloyd Wright and Le Corbusier, The romantic legacy, Manchester University Press, 1994

リチャード・A.エトリンのフランク・ロイド・ライトとル・コルビュジエ論にも目を通しておく。エトリンの書は以前、ジュゼッペ・テラーニ論を書く際にそのイタリア近代建築史を引用させてもらった。序文によればプリンストン大学でのフランス啓蒙主義建築に…

北川フラム『ひらく美術―地域と人間のつながりをお取り戻す』ちくま新書2015、北川フラム「瀬戸内国際芸術祭」、福武聰一郎 安藤忠雄ほか『直島瀬戸内アートの楽園』新潮社2011、金晴姫第6章、鎌田裕美第7章、古川一郎編『地域活性化のマーケティング』有斐閣2011

メモ 「当初の数年、地元の方々から彼らは鼻もひっかけられず、無視されたそうです。集落でうまくうまくいかないことが起こると「日芸のせいではないか」と疑われたこともあったそうで、とにかく認められるまではと、歯を食いしばり何年も耐えたということで…

G.R.Larson and R.M.Geraniotis, Toward a better undestanding of the evolution of the iron skelton frame in Chicago, Structural Iron and Steel, 1850-1900, edited by Robert Thorne, Studies in the History of Civil Engineering, Volume 10, Ashgate Publishing Li

R.M.ジェラニオティス(Geraniotis)の論文がようやく入手できた。全体は鉄鋼構造史、各論文初出をそのまま合本したもので論文ごとに文字の大きさもフォントも異なり、また全体構成は第一章が水晶宮とその後、第二章が橋梁と展覧会建物、第三章が鋼フレーム構…

Sullivan, Louis H. The tall office building artistically considered. Lippincott`s Magazine, March 1896, MIT OpenCourseWare

ルイス・ヘンリー・サリヴァンの重要論文であり、そのエッセンスが詰まった論文である。 まずサリヴァンの関心事はformにあり、本論もモダンオフィスビルディングの形(form)はどうあるべきかという点から論が起こされ、最終的な「法則(the law)」である…

Eugene Viollet-le-Duc, The Habitations of Man in All Ages, translated by Benjamin Bucknall, Sampton Low, Marston, Searle, & Rivingston, London, 1876

こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/theodore-turuk.html)に関連して。序文冒頭でヘーゲルの『哲学史』英語版の訳者(ジョン・シルビー)への謝辞が述べられている。ヘーゲルの言説のように大きな道筋を必ずしも描いていくというわけでは…

John Szarkovsky, The Idea of Louis Sullivan, A Bulfinch Press Book, 1956, reprinted 2000

閑話休題的に。 こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/hugh-morrison-l.html)と、こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2012/12/h2012-7851.html)にも関連して。ちなみに著者のジョン・ザルコウスキー(1925-2007、MoMAディレク…

Joanna Merwood-Salisbury, The Gothic Revival and the Chicago School: From Naturalistic Ornament to Constructive Expression, Skyscraper Gothic, Medieval Style and Modernist Buildings, ed by Kevin D.Murphy, Lisa Reilly, University of Virginia Press, 2017

ジョアナ・マーウッド=ソルスベリー(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/joanna-merwood.html、http://madhut.hatenablog.com/entry/2015/09/18/171408 )のペーパー。大雑把に述べて「思想/様式」から引き剥がされたとでも言うべきあり方で近代…

ここで再びリドリー・スコット『南北戦争、ゲティスバーグの戦い』(2011)

何度観てもよくできている。 www.youtube.com

Joseph M.Siry, The Chicago Auditorium Building, Adler and Sullivan`s Architecture and the City, The University of Chicago Press, 2002

労作である。 2003年の米国建築史家協会・アリス・デイヴィス・ヒッチコック賞を受賞している(https://en.wikipedia.org/wiki/Alice_Davis_Hitchcock_Award)。また「シカゴのオーディトリアム・ビルディング、オペラかアナーキズムか」という論文が『米国…

デイビッド・J.スタインバーグ『フィリピンの歴史・文化・社会、単一にして多様な国家』堀芳枝、石井正子、辰巳頼子訳、明石書店、2000年、萩野芳夫『フィリピンの社会・歴史・政治制度』明石書店、2002年、鈴木静夫『物語フィリピンの歴史、「盗まれた楽園」と抵抗の500年』中公新書、1997年、石井米雄他『東南アジアの歴史四』弘文堂、1991年、帝国書院編集部『世界の国々1、アジア州1』帝国書院、2014年、小松義男『地球生活記、世界ぐるりと家めぐり』福音館書店、1999年、歴史教育者協議会編『フィリピンと太平

ざっと目を通す。 ラテン・アメリカで至る処に記されているスペイン人の残虐非道ぶりはフィリピンでも同じ。ただしフィリピンではスパニヤードだけでなくさらにメキシコ人の傭兵が支配側に加わる。マニラとアカプルコのあいだの「海のシルクロード」ことガレ…

布野修司 田中麻里 チャンタニー・チランチャット、ナウィット・オンサワンチャイ、『東南アジアの住居 その起源・伝播・類型・変容』、京都大学学術出版会、2017

フィリピン住居については第一章「オーストロネシア世界」の住居で触れられるにとどまる。 全体は序章で「住居の原型」が概観され、第一章でオーストロネシア世界他の「伝統的住居」が概観され、第二章で主にインドシナ半島の住居が概観され、第三章で同地域…

拙訳書での「支那」という言葉の使用について

拙訳書『テクトニック・カルチャー』では「支那」という言葉を使用している箇所があります。これについて留学生の方からこの言葉を使用する意図は?という趣旨のeメールをいただきました。 誤解や曲解があるとよくないと思い、どなたでも目にすることのでき…

ジョン・ピーター『近代建築の証言』小川次郎/小山光/繁昌朗共訳、TOTO出版、2001

フランク・ロイド・ライトのユニティ教会の箇所を確認。 「保存、拡大、拡張され、目に見えるものとなった空間の価値は、まったく新しい建築をつくり出します。ユニティ教会はそれを実現した最初の建物です。私が近代建築に貢献したのはその点においてです。…

David van Zanten, Photographs by Cervin Robinson, Sullivan`s City, The Meaning of Ornament For Louis Sullivan, W.W.Norton and Company, New York and London, 2000

デイヴィッド・ヴァン・ザンテンのルイス・ヘンリー・サリヴァン論にも目を通しておく。謝辞の冒頭にはジョルジュ・ディディ=ユベルマンの名前が見える。 大雑把に述べて全体の構成はサリヴァンが活動した時代のシカゴを三つの時代に分け、それぞれにおける…

Giorgio Ciucci, The City in Agrarian Ideology and Frank Lloyd Wright: Origins and Development of Broadacres, The American City, The MIT Press, 1973

ジョルジュ・チウッチのフランク・ロイド・ライト論にも目を通しておく。こちら( Giorgio Ciucci, Francesco Dal Co, Mario Manieri-Elia, Manfredo Tafuri, The American City, From the Civil War to the New Deal, The MIT Press, 1979, translated by Ba…

Alexander Eisenschmidt with Jonathan Mekinda eds., Chicagoisms, The City as Catalyst for Architectural Speculation, Park Books, Zurich, 2013

こちら(http://madhut.hatenablog.com/entry/2015/09/18/171408)で見たジョアナ・マーウッド=ソールズベリーの論考を含むアンソロジー。編者解説によれば19世紀から現代までのシカゴを一つのアイデアとして捉え、外部からこの都市を見た論考のあいだに内部…

S.Giedion, Space, Time and Architecture, The Growth of a New Tradition, Herverd University Press, Cambridge, Massathusetts, 1941,( Fifth Edition, Revised and Enlarged)

こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/11969-b78b.html)とこちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/1931-193921969-.html)の続き。まずこちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/siegfried-giedi.html)のような…

Harry Francis Mallgrave, Modern Architectural Theory, A Historical Survey, 1673-1968, Cambridge University Press, New York, 2005

こちら(http://d.hatena.ne.jp/madhutter/20090104)でも見た、ゼムパーの「様式」に関連する部分とゼムパーのシカゴへの影響部分を再確認する。前回引用部分の続き。 「様式とは、と彼はこう書く。芸術作品の主題を変容させる根本理念およびあらゆる内在的…

戸坂潤『日本イデオロギー論』、岩波書店、1977

寄道をして一瞥する。初出は1935年である。 舶来新思想から昔の思想まで「ありとあらゆる思想が行われる」日本の状況を瞥見しながら(板垣鷹穂も似たような皮肉を述べていた)、まず 「思想とはあれこれの思想家の頭脳の内にだけ横たわるようなただの観念の…

Ozanfant, Foundations of Modern Art, Dover Publications, inc. New York, 1931(English edition), 1952

メモ 「絵画」の章より 「いつの日か将来、こう認識されるであろう。1914年後のあらゆる芸術活動は二つの集団活動に分類されると。ダダイズムとピュリスムがその二つである。この二つの運動は明らかに相互に対照的であったものの、芸術の腐敗した生産品によ…

Le Corbusier, Toward An Architecture, Introduction by Jean-Louis Cohen, Translation by John Goodman, The Getty Research Institute, 2007

20世紀の最重要建築書と言えば、やはり本書であろう。英語版新版である。 これまで英語版はフレデリック・エチェルス訳版があったが、同書においては書名が「新しい建築へ」ともうそこから意訳されているうえに、訳者によれば、文体も仏語原文の生き生きした…

Henry-Russel Hitchcock Jr., Modern Architecture Romanticism and Reintegration, Da Capo Press, New York, 1993(1929)

こちら(http://madhut.hatenablog.com/entry/2016/11/22/002833)で言われている書は、こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/norman-shaw-and.html)のペリカン本ではなく、本書である。 フィリップ・ジョンソンが熱狂し、コーリン・ロウが…

上田閑照編『西田幾多郎哲学論集I』「場所」、『西田幾多郎哲学論集III』「絶対矛盾的自己同一」、「歴史的形成作用としての芸術的創作」、岩波書店、1987、1989

寄道する。 西田の「場所」概念はあらためてカントの読替えとしてあると思われ、実際カントの名は参照点としてしばしば登場する。他方では同時代の現象学には批判的にも見え、これに対しライプニッツの「モナド」やベルグソンの「純粋持続」、そして近年のド…