Frederic Baumann, Improvement in the Construction of Tall Buildings, 1884

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しばしば言及されるフレデリック・ボウマンのパンフレット。

3頁のペラで文字通りパンフレットである。シカゴ美術館のマイクロフィルム・アーカイヴのものにはバウマン直筆の1914年のメモが冒頭と末尾についている。

またシカゴ美術館のマイクロフィルムには他も “Regarding method of strengthening party walls and existing foundations to accommodate tall buildings,” “Shielding Goods in Tall Buildings”(いずれも書かれた年は不明記)があり、そして3つとも表題に高層建築(tall buildings)が付いていることから、ボウマンの主要な関心は建物の外皮より高さにあったのかなとも思わされる。二つ目のものは既存基礎のフーティング下に薄い耐圧版を挿入することで耐力を増そうというもの。

さて内容である。

建物の使用者は利便性、安全、光そしてエレガンスを求めるという前提のもと、これらをうまく統合することが高い家賃をもたらすのだと主張している。この点から鉄の構造体は耐火性能を持ったエレガントな被覆で覆われるべきと述べる。これが鉄・内蔵構法のアイデアと言う。

以下、その詳細が21項目にわたって述べられる。1、鉄の強靭な胴体(hull)または骨組(skelton)に築かれるべきであること。2、まず外側から建設されるべきこと。3、しかし室内工事は外皮より速く進む。屋根は2か月以内に架けられる一方、外皮は4層以上に進むことはない。4、屋上に起重機を設置すればその後の外皮工事は楽になる。5、そのあいだも室内工事はどんどん進む。6、それゆえ室内工事は一旦終わりプラスターの仕上工事に入る、そのかん外皮工事はすすむ。7、よってこの構法は天気に影響されにくく、速く進む。8、シカゴでは実務上12層以上の建物が建てられる。9、光は最も欲されるものである(ここでボウマンはdesideratumという言葉を既に用いている)。10、付柱は光を内部に多く取り込むために見付・見込とも薄くされるべきである。11、外皮を支える直立柱は突起した一連のブラケットとしてなされること。12、外皮ライニングは火災その他のダメージを受ける可能性があるのでブラケットは独立させるべきであること。13、大梁は両端で柱に剛接合されるべきであること。これは構造体を堅固なものとし、大梁の剪断耐力を1.5倍にする。14、小梁の両端は大梁に剛接合されるべきであること。これは小梁の耐力を20%増加させる。15、よってヴォールト、間仕切り、火を用いる場所は小梁を小さくするため大梁上に配置すべきであること。16、このことは鉄材の節約になること。17、ヴォールトは4×5フィートで9インチの多孔煉瓦からできるが、床と天井に軽量鉄製プレートを挟ませると4トン未満となる。18、ファイアプレースは1トン未満となる。19、それゆえヴォールトとファイアプレースは大梁上であればどの階でもどの位置でも設置できる。20、8階建ての場合、外皮の鉄柱にかかる費用はそれによって減じられる石材の費用とほぼ相殺されること。21、8階以上の建物であれば、この構法を用いた方が工費は安く上がる。

以上の21要点を記したのち、建物の建設にあって最も重要なアイテムは、光、利便性、空間、時間であると述べている。

最も重要なアイテムの筆頭に「光」が挙げられていること、また「空間、時間」が並んで挙げられていることには注目しておく。