Stolog

メモ

2016-01-01から1年間の記事一覧

Alexander Eisenschmidt with Jonathan Mekinda eds., Chicagoisms, The City as Catalyst for Architectural Speculation, Park Books, Zurich, 2013

こちら(http://madhut.hatenablog.com/entry/2015/09/18/171408)で見たジョアナ・マーウッド=ソールズベリーの論考を含むアンソロジー。編者解説によれば19世紀から現代までのシカゴを一つのアイデアとして捉え、外部からこの都市を見た論考のあいだに内部…

S.Giedion, Space, Time and Architecture, The Growth of a New Tradition, Herverd University Press, Cambridge, Massathusetts, 1941,( Fifth Edition, Revised and Enlarged)

こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/11969-b78b.html)とこちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/1931-193921969-.html)の続き。まずこちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/siegfried-giedi.html)のような…

Harry Francis Mallgrave, Modern Architectural Theory, A Historical Survey, 1673-1968, Cambridge University Press, New York, 2005

こちら(http://d.hatena.ne.jp/madhutter/20090104)でも見た、ゼムパーの「様式」に関連する部分とゼムパーのシカゴへの影響部分を再確認する。前回引用部分の続き。 「様式とは、と彼はこう書く。芸術作品の主題を変容させる根本理念およびあらゆる内在的…

戸坂潤『日本イデオロギー論』、岩波書店、1977

寄道をして一瞥する。初出は1935年である。 舶来新思想から昔の思想まで「ありとあらゆる思想が行われる」日本の状況を瞥見しながら(板垣鷹穂も似たような皮肉を述べていた)、まず 「思想とはあれこれの思想家の頭脳の内にだけ横たわるようなただの観念の…

Ozanfant, Foundations of Modern Art, Dover Publications, inc. New York, 1931(English edition), 1952

メモ 「絵画」の章より 「いつの日か将来、こう認識されるであろう。1914年後のあらゆる芸術活動は二つの集団活動に分類されると。ダダイズムとピュリスムがその二つである。この二つの運動は明らかに相互に対照的であったものの、芸術の腐敗した生産品によ…

Le Corbusier, Toward An Architecture, Introduction by Jean-Louis Cohen, Translation by John Goodman, The Getty Research Institute, 2007

20世紀の最重要建築書と言えば、やはり本書であろう。英語版新版である。 これまで英語版はフレデリック・エチェルス訳版があったが、同書においては書名が「新しい建築へ」ともうそこから意訳されているうえに、訳者によれば、文体も仏語原文の生き生きした…

Henry-Russel Hitchcock Jr., Modern Architecture Romanticism and Reintegration, Da Capo Press, New York, 1993(1929)

こちら(http://madhut.hatenablog.com/entry/2016/11/22/002833)で言われている書は、こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/norman-shaw-and.html)のペリカン本ではなく、本書である。 フィリップ・ジョンソンが熱狂し、コーリン・ロウが…

上田閑照編『西田幾多郎哲学論集I』「場所」、『西田幾多郎哲学論集III』「絶対矛盾的自己同一」、「歴史的形成作用としての芸術的創作」、岩波書店、1987、1989

寄道する。 西田の「場所」概念はあらためてカントの読替えとしてあると思われ、実際カントの名は参照点としてしばしば登場する。他方では同時代の現象学には批判的にも見え、これに対しライプニッツの「モナド」やベルグソンの「純粋持続」、そして近年のド…

コーリン・ロウ『コーリン・ロウは語る、回顧録と著作選』、「第一部テキサス、テキサス以前、ケンブリッジ」「ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック」松永安光+大西伸一郎+漆原弘訳。鹿島出版会、2001

ヒッチコックの『近代建築』とギーディオンの『空間・時間・建築』についてコーリン・ロウが語っていた部分をメモ。 「しかし、時のハーヴァード学長のジェイムズ・ブライアント・コナントがレストランを出て左に曲がり、次にチャーチ・ストリートの方へ右折…

A.オザンファン+E.ジャンヌレ、『近代絵画』、吉川逸治訳、鹿島研究所出版会、1968年

原著は1924年出版で『建築をめざして』(1923)の1年後である。『レスプリ・ヌーヴォー』は1920-1925年の刊行。主張するとことは『建築をめざして』とほぼ重なる。 以下、メモ。 まずマシンエイジが冒頭で言われる。 「機械主義の段階に達したわれわれの合理…

Robert Bruegmann, The Architects and the City, Holabird and Roache of Chicago, 1880-1918, The University of Chicago Press, 1997

ダニエル・バーナムと並ぶホラバード+ローシュについての書。序章、第一章、第二章(~1893年)までを瞥見する。謝辞にデヴィット・ヴァン・ザンテン、グウェンドリン・ライト、それにシカゴ歴史協会の名がみえる。 いくつかメモ。 建築史と都市史の乖離につ…

ジークフリート・ギーディオン「記念性について」、『現代建築の発展』生田勉・樋口清訳、みすず書房、1961

一瞥する。 記念性の諸要素のうち、「色彩」についてはフェルナン・レジエから出てきている。レジエはピュリスム=反キュビズムにおけるル・コルビュジエの協働者であり、ということは、これはピュリスムにおける色彩の扱いから発展してきたと述べても過言で…

Lewis Mumford, “Monumentalism, Symbolism and Style,” April, 1949, Architectural Review

重要な論文と思われる。 東京中の図書館をあたってもどこにもなく、地方の大学の図書館にあることが分かり、コピーを取り寄せた。 向井正也の『モダニズムの建築』(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/1983-12fa.html)で詳述されるヴォリューム…

Terence Riley, Portrait of the Curator as a Young Man, Philip Johnson and The Museum of Modern Art, Studies in Modern Art 6, The Museum of Modern Art, New York, 1998

フィリップ・ジョンソンとMoMAについてのアンソロジーからテレンス・ライリーのペーパーに一瞥を与えておく。 フィリップ・ジョンソンのフルネームは、フィリップ・コーテルユー・ジョンソン(Philip Cotelyou Johnson)(35頁)。 ジョンソンは弱冠24歳で新設Mo…

ジュディス・バトラー+ガヤトリ・スピヴァク、竹村和子訳『国家を歌うのは誰か?』岩波書店、2008

いちおう「批判的地域主義」概念の整理のために一瞥しておく。大雑把に述べて、前半ではおもにバトラーが語ってスピヴァクが聞き、後半ではその役割が反転という感じで、「批判的地域主義」が登場するのは後半、57頁以降である。 書名は本文中に登場する、ス…

ジークフリート・ギーディオン、『空間 時間 建築2』太田實訳、丸善、1969

この書の表題になっている「空間 時間」についての部分を再読。K.マイケル・ヘイズの「ポストヒューマニズム」では「主体/主観」の問題として捉え直されていたものを、一応「空間」の問題としても見ておく。第四章「新しい空間概念:時-空間」では、しかしな…

Henry-Russel Hitchcock and Philip Johnson with a new foreword by Philip Johnson, The International Style, W.W.Norton and Company. Inc., 1932

念のため英語版で「歴史」、「第一原理」、およびフィリップ・ジョンソンによる1996年の新たな序文を確認する。 まずジョンソンによる1996年版への序文からメモ。 「1930年5月のパリで、バーは私をヒッチコックに紹介した。すぐさま我々全員にとって目下の新…

William Mundie

シカゴ美術館マイクロフィルム・アーカイヴ所蔵、ウィリアム・マンディーによる原稿。すべてタイプ打ちで、「ウィリアム・ル・バロン・ジェニー、マサチューセッツ州フェアヘヴン1832年9月25日生」というジェニーの生涯についての短い伝記と「スケルトン・コ…

Frederic Baumann, Improvement in the Construction of Tall Buildings, 1884

しばしば言及されるフレデリック・ボウマンのパンフレット。 3頁のペラで文字通りパンフレットである。シカゴ美術館のマイクロフィルム・アーカイヴのものにはバウマン直筆の1914年のメモが冒頭と末尾についている。 またシカゴ美術館のマイクロフィルムには…

Carl W. Condit

こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/jenney-and-the-.html)で読んだカール・コンディットの著作のジェニーについての部分の再読。 メモ 「初期の鉄フレーム構造についての英国の主導的歴史家であるA.W.スケンプトンは聖オーウェン倉庫…

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル/クリサート『生物から見た世界』日高敏隆・羽田節子訳、岩波書店、2005年

前半の生得的な環世界から後半に登場する経験によって獲得される環世界、さらに作用像が知覚象を発生させる、幻覚的な環世界までが論じられる。環世界の原語はUmweltで、これは各主体にとっての知覚世界(Merkwelt)と作用世界(Wirkwelt)から形成されるとさ…

アリストテレス『形而上学(上)、(下)』出隆訳、岩波書店、1959、1961年、『詩学』岩波書店、1997年

前者は今日「自然科学」と呼ばれるものについての考察と大雑把に言える。本論はさておき、はじめの方で「棟梁術」となっているのはおそらくアルキテクトニケ・テクネのことではないかと思われ、アルケーとかテロスとかそれほど深い意味で考察しなくともこれ…

板谷敏彦 『金融の世界史 バブルと戦争と株式市場』新潮社2013

メモ 「こうした状況を変えたのが、大規模な資金調達を必要とする鉄道という事業でした。そしてイギリスよりも州単位で立法するアメリカの方が、企業誘致の競争上の観点から、この問題に早く対応することになったのです。 1837年にコネチカット州で、株式会…