Stolog

メモ

コーリン・ロウ『コーリン・ロウは語る、回顧録と著作選』、「第一部テキサス、テキサス以前、ケンブリッジ」「ヘンリー=ラッセル・ヒッチコック」松永安光+大西伸一郎+漆原弘訳。鹿島出版会、2001

ヒッチコックの『近代建築』とギーディオンの『空間・時間・建築』についてコーリン・ロウが語っていた部分をメモ。 「しかし、時のハーヴァード学長のジェイムズ・ブライアント・コナントがレストランを出て左に曲がり、次にチャーチ・ストリートの方へ右折…

A.オザンファン+E.ジャンヌレ、『近代絵画』、吉川逸治訳、鹿島研究所出版会、1968年

原著は1924年出版で『建築をめざして』(1923)の1年後である。『レスプリ・ヌーヴォー』は1920-1925年の刊行。主張するとことは『建築をめざして』とほぼ重なる。 以下、メモ。 まずマシンエイジが冒頭で言われる。 「機械主義の段階に達したわれわれの合理…

Robert Bruegmann, The Architects and the City, Holabird and Roache of Chicago, 1880-1918, The University of Chicago Press, 1997

ダニエル・バーナムと並ぶホラバード+ローシュについての書。序章、第一章、第二章(~1893年)までを瞥見する。謝辞にデヴィット・ヴァン・ザンテン、グウェンドリン・ライト、それにシカゴ歴史協会の名がみえる。 いくつかメモ。 建築史と都市史の乖離につ…

ジークフリート・ギーディオン「記念性について」、『現代建築の発展』生田勉・樋口清訳、みすず書房、1961

一瞥する。 記念性の諸要素のうち、「色彩」についてはフェルナン・レジエから出てきている。レジエはピュリスム=反キュビズムにおけるル・コルビュジエの協働者であり、ということは、これはピュリスムにおける色彩の扱いから発展してきたと述べても過言で…

Lewis Mumford, “Monumentalism, Symbolism and Style,” April, 1949, Architectural Review

重要な論文と思われる。 東京中の図書館をあたってもどこにもなく、地方の大学の図書館にあることが分かり、コピーを取り寄せた。 向井正也の『モダニズムの建築』(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/1983-12fa.html)で詳述されるヴォリューム…

Terence Riley, Portrait of the Curator as a Young Man, Philip Johnson and The Museum of Modern Art, Studies in Modern Art 6, The Museum of Modern Art, New York, 1998

フィリップ・ジョンソンとMoMAについてのアンソロジーからテレンス・ライリーのペーパーに一瞥を与えておく。 フィリップ・ジョンソンのフルネームは、フィリップ・コーテルユー・ジョンソン(Philip Cotelyou Johnson)(35頁)。 ジョンソンは弱冠24歳で新設Mo…

ジュディス・バトラー+ガヤトリ・スピヴァク、竹村和子訳『国家を歌うのは誰か?』岩波書店、2008

いちおう「批判的地域主義」概念の整理のために一瞥しておく。大雑把に述べて、前半ではおもにバトラーが語ってスピヴァクが聞き、後半ではその役割が反転という感じで、「批判的地域主義」が登場するのは後半、57頁以降である。 書名は本文中に登場する、ス…

ジークフリート・ギーディオン、『空間 時間 建築2』太田實訳、丸善、1969

この書の表題になっている「空間 時間」についての部分を再読。K.マイケル・ヘイズの「ポストヒューマニズム」では「主体/主観」の問題として捉え直されていたものを、一応「空間」の問題としても見ておく。第四章「新しい空間概念:時-空間」では、しかしな…

Henry-Russel Hitchcock and Philip Johnson with a new foreword by Philip Johnson, The International Style, W.W.Norton and Company. Inc., 1932

念のため英語版で「歴史」、「第一原理」、およびフィリップ・ジョンソンによる1996年の新たな序文を確認する。 まずジョンソンによる1996年版への序文からメモ。 「1930年5月のパリで、バーは私をヒッチコックに紹介した。すぐさま我々全員にとって目下の新…

William Mundie

シカゴ美術館マイクロフィルム・アーカイヴ所蔵、ウィリアム・マンディーによる原稿。すべてタイプ打ちで、「ウィリアム・ル・バロン・ジェニー、マサチューセッツ州フェアヘヴン1832年9月25日生」というジェニーの生涯についての短い伝記と「スケルトン・コ…

Frederic Baumann, Improvement in the Construction of Tall Buildings, 1884

しばしば言及されるフレデリック・ボウマンのパンフレット。 3頁のペラで文字通りパンフレットである。シカゴ美術館のマイクロフィルム・アーカイヴのものにはバウマン直筆の1914年のメモが冒頭と末尾についている。 またシカゴ美術館のマイクロフィルムには…

Carl W. Condit

こちら(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/jenney-and-the-.html)で読んだカール・コンディットの著作のジェニーについての部分の再読。 メモ 「初期の鉄フレーム構造についての英国の主導的歴史家であるA.W.スケンプトンは聖オーウェン倉庫…

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル/クリサート『生物から見た世界』日高敏隆・羽田節子訳、岩波書店、2005年

前半の生得的な環世界から後半に登場する経験によって獲得される環世界、さらに作用像が知覚象を発生させる、幻覚的な環世界までが論じられる。環世界の原語はUmweltで、これは各主体にとっての知覚世界(Merkwelt)と作用世界(Wirkwelt)から形成されるとさ…

アリストテレス『形而上学(上)、(下)』出隆訳、岩波書店、1959、1961年、『詩学』岩波書店、1997年

前者は今日「自然科学」と呼ばれるものについての考察と大雑把に言える。本論はさておき、はじめの方で「棟梁術」となっているのはおそらくアルキテクトニケ・テクネのことではないかと思われ、アルケーとかテロスとかそれほど深い意味で考察しなくともこれ…

板谷敏彦 『金融の世界史 バブルと戦争と株式市場』新潮社2013

メモ 「こうした状況を変えたのが、大規模な資金調達を必要とする鉄道という事業でした。そしてイギリスよりも州単位で立法するアメリカの方が、企業誘致の競争上の観点から、この問題に早く対応することになったのです。 1837年にコネチカット州で、株式会…

ルイス・マンフォード「第三章 近代建築へ向かって」『褐色の三十年』、富岡義人訳、鹿島出版会、2013

こちらの書(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/2013-7c39.html)の第三章、この部分(http://rco-2.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/towards-modern-.html)の和訳である。 あらためてリチャードソン、サリヴァン、ライトという建築家を主軸とし…

マルクス+エンゲルス『共産党宣言』大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波書店 1951

まず1888年英語版への序文に目が行く。ここで著者たちは英国他の社会主義者を批判して「共産主義者」という概念を提出している。「社会主義者」とは「1847年には社会主義者といえば、一方ではさまざまの空想的体系の信奉者、すなわち、すでにともに委縮して…

Non

9 Noncommercial Work, 10 The Home Insurance Building, 11 Commercial Work,1886-92, 12 The World`s Columbian Exposition and Last Works

「フランス・ラディカル理論の論者にして構造の改革者として、建築の革命を彼はなした。あらゆる革命がそうであるように、それはいくつかの段階を経ている。1885年に最初の段階が始まり、1885年から1892年が英雄的段階、そして1893年がテルミドールとなる」…

Jonna Merwood-Salisbury, American Modern, The Chicago School and the International Style at New York`s Museum of Modern Art

『Chicargo 1890』の著者・ジョアナ・マーウッド=ソールズベリーのペーパー。 academia.eduでダウンロードできる。年代等は不明だが近年に違いなく、頁の打ち方からしてアンソロジーか何かに収録されたか収録される予定だったものと思われる。 『シカゴ1890…

オスカー・ニーマオヤー、ロベルト・ブーレ=マルクス、ジャック・リプシッツ、フェルナン・レジエ、ミロ他

アブストラクト・シュルレアリスム パリにおいて絵画と建築が最も接近した一九二五年頃、レジエやオザンファン、そしてル・コルビュジエ自身の絵画は、形や色彩が複雑で多様なものへと回帰することで、すでに温和なものとなり始めていた。しかしながらまさに…