Peter Eisenman, The Formal Basis of Modern Architecture, Lars Muller Publishings, 1963/2018
建築における「形」の重要性を説くという点で、ロッシとの同時代性を感じさせるとともに、ル・コルビュジエの『建築』の「覚書」の延長上にあるようにも見える。
ル・コルビュジエの場合は、
ヴォリューム
表面
プラン
指標線
であり、
アイゼンマンの場合は
建築の一般形態特性として
ヴォリューム
マス
表面
運動
三次元(空間)グリッド
ここでアイゼンマンはル・コルビュジエの分析を繰り返しているようにも見え(裏を返して述べれば、ル・コルビュジエの覚書は「形態分析」であったと言える。そしてル・コルビィジエの「指標線」にとって代わったものがアイゼンマンでは「グリッド」となる。
- 「1、 一般形態特性(マス、表面、運動)。
その他のものとして、暗示的あるいは実際的なカルテジアン・グリッド。ヴォリュームのいかなる実体にもマトリックスを提供するのは、この後者のコンセプトである。このグリッドは一般形態を統御するのにかくも適切なので、別の文脈で考察される必要がある。
空間、三次元、あるいは「デカルト的」グリッドというコンセプトは、一般建築形態であれ、特定建築形態であれ、絶対的な参照線を提供する連続体として考えられる。
いかなる形態に対しても、このグリッドは抽象的実体として考えられねばならない。これはすべての知覚への参照フレームであり、これら知覚はまず重力への物理的感覚に由来している」。(63頁)。
「狭い意味では空間グリッドは近代建築にとってきわめて重要である。点・支持と非・耐力壁の発展は、ある種の特質をグリッドに付与した。
グリッドには三つの座標があるといえる。水平、垂直、そして状況に応じてこれらは異なる価値を与えられる。重力の連想から水平線はしばしば支配的となる」(65頁)。